腎デナベーションで心不全を治療?
Renal Denervation Prevents Heart Failure Progression Via Inhibition of the Renin-Angiotensin System

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
November 2018
72
開始ページ
2609

背景

ラジオ波(RF)腎デナベーション(RDN)が心筋梗塞(MI)・心不全(HF)に有益であることを示唆する ラットレベル実験がある。Louisiana State UniversityのLeferらは、ブタレベルでこれを検証するシャム対照RCTを行った(n=21)。動物は正常血圧で、左前下行枝閉塞によりMI・HFrEFを誘導した。

結論

RF-RDNは腎ノルエピネフリン含量および循環アンギオテンシンI・IIの有意な減少をもたらし、循環BNPレベルを有意に増加させた。RF-RDN後、LVESPは有意に減少し、LVEFの顕著で持続的な改善がみられた。さらに、RF-RDNにより、LV縦軸方向ストレインが改善し、LV線維症は低減、血管拡張薬に対する冠動脈反応は改善した。

評価

高血圧治療への同手法の効果検証試験が劇的効果を示さないなかで試みられた新しい応用方向である。効果機構はneprilysin活性の低減とRAS抑制とされる。JACC Editorialは有望と称揚しており、臨床試験は近い。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)