脳梗塞二次予防への第XIa因子阻害薬、またも効果示せず:AXIOMATIC-SSP
Safety and efficacy of factor XIa inhibition with milvexian for secondary stroke prevention (AXIOMATIC-SSP): a phase 2, international, randomised, double-blind, placebo-controlled, dose-finding trial
背景
脳梗塞患者では再発の予防が重要になるが、第XIa因子阻害薬は新たな役割を担いうるか?
カナダMcMaster UniversityのSharmaら(AXIOMATIC-SSP)は、虚血性脳卒中・一過性脳虚血発作(TIA)患者の二次予防における経口活性化第XI因子阻害薬、Milvexianの用量を探索するべく、世界27ヵ国367施設で、40歳以上で発症48時間未満の急性虚血性脳卒中・高リスクTIA患者を、1日1回25 mgから1日2回200 mgまで、5種の用量によるMilvexianまたはプラセボの投与へと1:1:1:1:1:2の比率でランダムに割り付け、脳虚血イベントの再発および大出血を比較する第2相試験を実施した(n=2,366)。
結論
90日以内の症候性虚血性脳卒中または潜在性脳梗塞の割合は、1日1回25 mg群で16.7%、1日2回25 mg群で16.6%、2回50 mg群で15.6%、2回100 mg群で15.4%、2回200 mg群で15.3%、プラセボ群で16.8%であり、有意差はなかった。大出血の発生率に、用量反応関係は認められなかった。
評価
Asundexianの二次予防効果を検証したPACIFIC-Stroke(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(22)01588-4)に続いて、この第2相試験でも、第XIa因子阻害薬による一次エンドポイントの有意な減少は認められなかった。ただし、症候性虚血性脳卒中は非有意ながら減少しており、15,000人の登録を予定する第3相Librexia STROKEがすでに開始されている(https://clinicaltrials.gov/study/NCT05702034)。