肺動脈性肺高血圧症にマシテンタン・タダラフィル固定用量配合剤:A DUE試験
Randomized Trial of Macitentan/Tadalafil Single-Tablet Combination Therapy for Pulmonary Arterial Hypertension
背景
低/中リスクの肺動脈高血圧症(PAH)患者にエンドセリン受容体拮抗薬(ERA)とホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5i)の併用が推奨されるが、治療を簡素化するための合剤(マシテンタン10mgとタダラフィル40mgの固定用量配合剤:M/T FDC)の1日1回投与の有効性と安全性は。
アメリカSouthwestern Medical CenterのChinら(A DUE)は、WHO機能分類II~IIIのPAH患者187名を対象に、これを検証する第3相試験を行った(対照:各単剤療法)。
一次アウトカムは、16週における肺血管抵抗(PVR)の変化である。
結論
M/T FDCによるPVR減少は、マシテンタン(29%)・タダラフィル(28%)各単剤より有意に大きかった。 M/T FDC群では3名の患者が死亡した(治療とは無関係と判断)。中止につながる有害事象(AE)、重篤AE、および特に重要なAE(貧血・低血圧・浮腫)は、M/T FDCでより頻繁であった。
評価
Janssenファンドにより日本を含む世界16ヵ国76施設で実施された第3相試験である。PAH患者は多薬を同時処方されることが多いため、このような1日1回の合剤は有益である。FDA承認は確実とみられる。