救急の呼吸困難患者で連続POCUSモニタリングが有用か
Impact of serial cardiopulmonary point-of-care ultrasound exams in patients with acute dyspnoea: a randomised, controlled trial
背景
ポイントオブケア超音波検査(POCUS)は、救急外来の呼吸困難患者における病因特定に有用とみられているが、その後のモニタリングにおいてPOCUSを利用することに利点はあるか?
デンマークSlagelse HospitalのArvigらは、同国3ヵ所の救急外来に呼吸困難を主訴として来院した成人患者を、到着1時間以内のPOCUSを含む通常ケアを行う対照群、または通常ケアに加え、初回POCUSから2時間間隔で、さらに2回のPOCUSを行う連続POCUS群へと割り付け、呼吸困難の軽減を比較するRCTを実施した(n=206)。
結論
連続POCUS群と対照群における口頭呼吸困難スケール(Verbal Dyspnoea Scale, 0~10)の平均差は、4時間後時点で-1.09、5時間後で-1.66であった。急性心不全のサブグループでは4時間後-1.52、5時間後-1.97と、より顕著な差が認められた。
連続POCUS群では、より多くの患者で利尿薬が投与された。再入院や死亡に有意な差は認められなかった。
評価
同グループによる先行RCT(https://doi.org/10.1016/S2213-2600(14)70135-3)を補完する研究である。モニタリングにおけるPOCUSの使用は、主に急性心不全患者の治療ガイドとして有用であり、呼吸困難の軽減をもたらした。