オンライン診療はかかりつけ医に受診するのが良い
Virtual Visits With Own Family Physician vs Outside Family Physician and Emergency Department Use
背景
COVID19パンデミックは、遠隔医療・オンライン診療の導入を加速したが、オンライン診療のベネフィットを最大化する条件とは?
カナダUniversity Health NetworkのLapointe-Shawらは、同国オンタリオ州に居住し、2021年4月から2022年3月までの1年間にオンライン診療(virtual visit)を利用したすべての患者(n=5,229,240)を特定、かかりつけ医のオンライン診療を受けた患者と、それ以外の医師にオンライン診療を受けた患者を傾向スコアによりマッチングし、オンライン診療から7日以内の救急外来受診を比較した。
結論
79.8%が自身のかかりつけ医の診療を受け、20.2%がそれ以外の医師の診療を受けた。年齢・性別・居住地・受診歴などで1,885,966名がマッチングされた。
かかりつけ医の診療を受けた患者と比べて、それ以外の医師の診療を受けた患者では、7日以内の救急受診が66%増加した(3.3% vs. 2.0%, リスク差 1.3%, 相対リスク 1.66)。直接サービス提供型(direct-to-consumer)のオンライン診療を受けた患者に限ると、リスク差は4.1%、相対リスクは2.99まで高まった。
評価
かかりつけでない医師のオンライン診療を受けた患者は、その後の医療利用リスクが高まった。オンライン診療は、かかりつけ医との既にある治療関係のもとで、補完的に利用するのが良い、というのは納得できる結論であろう。


