PICU患者の酸素化目標は88〜92%が良いか:Oxy-PICU
Conservative versus liberal oxygenation targets in critically ill children (Oxy-PICU): a UK multicentre, open, parallel-group, randomised clinical trial
背景
近年、さまざまな急性疾患の成人および小児を対象として酸素化目標値の検証が進められており、保守的な酸素化目標の安全性が示唆されている。
イギリスUniversity College LondonのPetersら(Oxy-PICU)は、2020年9月〜2022年5月に、同国15ヵ所の小児集中治療室(PICU)で、在胎38週以上から16歳未満で侵襲的換気と酸素補助を必要とする緊急入室患者を保守的なSpO2目標値(88〜92%)またはリベラルな目標値(94%超)へと割り付け、30日目までの臓器サポート期間を比較する実用的RCTを実施した(n=2,040)。
結論
30日以内の臓器サポート・死亡期間は、保守的酸素群で有意に短かった(probabilistic index 0.53, 調整オッズ比 0.84)。
有害事象は保守的酸素群の3%、リベラル酸素群の4%で報告された。
評価
PICUで侵襲的換気を受ける小児では、保守的な酸素化目標により、わずかながらアウトカムが改善される可能性が認められた。重要な害は検出されず、平均コストも低いことから、保守的目標を選好させる結果である。


