量子ドット利用経口インスリン製剤を開発
Oral nanotherapeutic formulation of insulin with reduced episodes of hypoglycaemia

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
Nature Nanotechnology
年月
January 2024
Online first
開始ページ
Online first

背景

ナノテクノロジーによる経口インスリン送達が研究されているが、胃による分解回避が大きな課題であった。
オーストラリアThe University of SydneyのHuntらは、キトサン/グルコースポリマーコーティングインスリン結合硫化銀量子ドットの開発を報告している。この製剤は酸性環境で不溶性であり、中性pHでヒト十二指腸外植片で吸収が増加し、またグルコシダーゼに感受性がある。

結論

同薬は経口投与後にマウス・ラットの肝臓に分布し、低血糖・体重増を来すことなく、用量依存的に血糖を低下させた。
同様の効果は非糖尿病のヒヒでも確認された。マウス・ラット・ヒヒでは、生化学的・血液学的毒性および有害事象は観察されなかった。

評価

20頭のヒヒを対象とした試験では、砂糖を含まないチョコレートにインスリンが組み込まれたという。Endo Axiom Pty Ltdの創薬で、第I相臨床試験は2025年に開始される。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)