量子ドット利用経口インスリン製剤を開発  
  
    Oral nanotherapeutic formulation of insulin with reduced episodes of hypoglycaemia  
    
  
背景
ナノテクノロジーによる経口インスリン送達が研究されているが、胃による分解回避が大きな課題であった。
オーストラリアThe University of SydneyのHuntらは、キトサン/グルコースポリマーコーティングインスリン結合硫化銀量子ドットの開発を報告している。この製剤は酸性環境で不溶性であり、中性pHでヒト十二指腸外植片で吸収が増加し、またグルコシダーゼに感受性がある。
結論
同薬は経口投与後にマウス・ラットの肝臓に分布し、低血糖・体重増を来すことなく、用量依存的に血糖を低下させた。
同様の効果は非糖尿病のヒヒでも確認された。マウス・ラット・ヒヒでは、生化学的・血液学的毒性および有害事象は観察されなかった。
評価
20頭のヒヒを対象とした試験では、砂糖を含まないチョコレートにインスリンが組み込まれたという。Endo Axiom Pty Ltdの創薬で、第I相臨床試験は2025年に開始される。

