幼年期以後のストレスが成人後の心血管リスクとなることを確認
Perceived Stress From Childhood to Adulthood and Cardiometabolic End Points in Young Adulthood: An 18‐Year Prospective Study
背景
心血管疾患のリスク要因が長期的に蓄積される、というデータは多い。
アメリカUniversity of Southern CaliforniaのFarzanらは、Southern California Children's Health Study(2003~2014年)と追跡評価(2018~2021年)のデータを用いて、幼年期のストレスと成人期の心血管代謝リスクの関連、ならびに成人期の心血管代謝リスクに対するストレスパターンの影響を評価する前向研究を行った(n=276)。
知覚されたストレス尺度(PSS)は、幼児期(平均年齢6.3歳)に参加者の両親によって報告され、その後、思春期(13.3歳)および青年期(23.6歳)では自己報告された。
心血管代謝リスクは、若年成人期に、頸動脈内膜中膜厚(CIMT)・収縮期血圧(SBP)・拡張期血圧(DBP)・肥満・体脂肪率、android-gynoid比(AGR)・HbA1cによって評価された。
結論
成人期において、PSSスコアが高いほど、全体的な心血管代謝リスク(β=0.12)・CIMT(β=0.01)・SBP(β=1.27)・DBP(β=0.94)が増加した。
思春期から成人期のストレスパターンが一貫して高い参加者は、知覚ストレス尺度得点が一貫して低い参加者に比して、全体的心血管代謝リスク(β=0.31)・AGR(β=0.07)・体脂肪率(β=2.59)・成人期における肥満のオッズが高かった(オッズ比 5.57)。
評価
古典的なフィンランド研究(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/197575)等で跡付けられてきた関連を、幼年期からの追跡で詳細化した。ただし、データ規模は小さい。