幼年期以後のストレスが成人後の心血管リスクとなることを確認
Perceived Stress From Childhood to Adulthood and Cardiometabolic End Points in Young Adulthood: An 18‐Year Prospective Study

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
Journal of the American Heart Association
年月
January 2024
-
開始ページ
e030741

背景

心血管疾患のリスク要因が長期的に蓄積される、というデータは多い。
アメリカUniversity of Southern CaliforniaのFarzanらは、Southern California Children's Health Study(2003~2014年)と追跡評価(2018~2021年)のデータを用いて、幼年期のストレスと成人期の心血管代謝リスクの関連、ならびに成人期の心血管代謝リスクに対するストレスパターンの影響を評価する前向研究を行った(n=276)。
知覚されたストレス尺度(PSS)は、幼児期(平均年齢6.3歳)に参加者の両親によって報告され、その後、思春期(13.3歳)および青年期(23.6歳)では自己報告された。
心血管代謝リスクは、若年成人期に、頸動脈内膜中膜厚(CIMT)・収縮期血圧(SBP)・拡張期血圧(DBP)・肥満・体脂肪率、android-gynoid比(AGR)・HbA1cによって評価された。

結論

成人期において、PSSスコアが高いほど、全体的な心血管代謝リスク(β=0.12)・CIMT(β=0.01)・SBP(β=1.27)・DBP(β=0.94)が増加した。
思春期から成人期のストレスパターンが一貫して高い参加者は、知覚ストレス尺度得点が一貫して低い参加者に比して、全体的心血管代謝リスク(β=0.31)・AGR(β=0.07)・体脂肪率(β=2.59)・成人期における肥満のオッズが高かった(オッズ比 5.57)。

評価

古典的なフィンランド研究https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/197575等で跡付けられてきた関連を、幼年期からの追跡で詳細化した。ただし、データ規模は小さい。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)