トランスサイレチン型心アミロイドーシスにacoramidis登場:ATTRibute-CM
Efficacy and Safety of Acoramidis in Transthyretin Amyloid Cardiomyopathy
背景
トランスサイレチン型心アミロイドーシス心筋症(ATTR-CM)の治療には大きな進展がみられる。
イギリスUniversity College LondonのGillmoreら(ATTRibute-CM)は、同患者632名を対象として、トランスサイレチンタンパク質の強力・高度選択的な経口安定化薬であるacoramidisの効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ, 投与期間30ヵ月)。
有効性エンドポイントは、全死因死亡・心血管疾患による入院・NT-proBNP値のベースラインからの変化・6分間歩行距離のベースラインからの変化である。
結論
Acoramidisの有効性エンドポイントに対する効果を認めた(win比 1.8)。
全死因死亡・心血管疾患による入院のwin/lossが、win比のペアワイズ比較の58%を占め、NT-proBNP値のペアワイズ比較のwin/loss比が最も高かった(23.3% vs. 7.0%)。
有害事象発現率は実薬群と対照群で変わらず、重篤有害事象が両群で各 54.6%・64.9%に発現した。
評価
BridgeBioの創薬である。ATTR-CM治療薬としてはタファミジスが先行したが、全死因死亡への効果はタファミジスの方が優れるようである。Acoramidisの承認も確実とみられるが、両薬ともCRISPRによる遺伝子編集治療からの競合を受けることになる。