間もなく救急現場に頭部CT診断AIが登場する
Deep learning algorithms for detection of critical findings in head CT scans: a retrospective study

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
October 2018
Online first
開始ページ
Online first

背景

頭部CTの画像診断は深層学習(DL)の有効性が期待される分野の一つである。インドCT & MRI Center, DhantoliのChilamkurthyらは、同国20施設からの頭部CT画像313,318件に基づき脳出血診断を主目的とする自動読影DLアルゴリズムを開発し,同データからの別枠無作為抽出コホート(Qure25k)および他施設からコホート(CQ500)データを用いてその有効性を検証した。ゴールドスタンダードは、3人の放射線科医のコンセンサスである。

結論

DLアルゴリズムの頭蓋内出血識別能は、Qure25kコホートでAUC:0.92(脳実質内:0.90、脳室内:0.96、硬膜下:0.92、硬膜外:0.93、くも膜下:0.90)であり、頭蓋冠骨折・midline shift・mass effectのAUC値は各0.92・0.93・0.86であった。CQ500でのDLアルゴリズムと放射線科医の診断精度比較では、両者の感度は同等で特異度は前者が劣った。

評価

頭部CTの自動読影に関しては、ParallelDots, Inc.が脳出血読影の感度0.9964・陽性的中率0.8124を報告している(https://arxiv.org/abs/1710.04934)。この報告アルゴリズムは、最低精度であった硬膜下血腫で感度0.93・特異度1.00を実現しており、実用レベルに達している。救急現場への登場も近そうである。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)