PCSK9阻害薬のLDL-C低下効果に性差
Sex Differences in Cardiovascular Outcomes and Cholesterol-Lowering Efficacy of PCSK9 Inhibitors: Systematic Review and Meta-Analysis
背景
PCSK9阻害薬の効果に性別による差異はあるか。
アメリカLincoln Medical CenterのRiveraらは、2022年10月までの16件のRCT(n=54,996, 女性27.5%)の系統的レビュー・メタアナリシスを行った。
一次アウトカムは、LDL-C値低下および主要心血管イベント(MACE)リスクの低減である。
結論
PCSK9阻害薬のMACEリスク低減効果に性差はなかった。
他方、LDL-C値低下に関しては性差があった。12週で女性−62.57・男性−66.19、24週で女性−47.52・男性−54.07。
評価
アメリカで奨励されている薬効の性差・人種差解析を、脂質低下薬で行ったものである。すでにスタチンの効果に性差のないことが確認されており、PCSK9阻害薬での性差は注意に値する。しかし、報告された差は、統計学的には高水準で有意であるものの、絶対差は小さく、臨床的に有意義であるかどうかは不明である。