Transformer利用シネCAG診断がLVEF評価でMayo専門医を凌駕
Deep Learning to Estimate Left Ventricular Ejection Fraction From Routine Coronary Angiographic Images
背景
心画像診断へのAI応用が広汎に試みられている。
アメリカMayo ClinicのRostamiらは、診断用左冠動脈(LCA)造影のルーチンシネ画像の、3D畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とTimeSformer Transformerの組み合わせた画像認識モデル解析により、LV機能(LVEF≦40%または>40%)の分類可能性を検討した。
結論
Mayo Clinicのシネ画像セット18,809データ(17,346名)を利用し、個別患者データは、トレーニングセット・検証セット・テストセットに重複なく用いられた。
作成されたモデルのLV機能(LVEF≦40%または>40%)識別能は、Mayo Clinicの2名の専門医より、ROCAUCと感度で優った(AUC,感度,特異度:0.86 vs. 0.76-0.77, 0.76 vs. 0.50-0.44, 0.77 vs. 0.90-0.93)。
評価
心画像診断へのAIの応用はすでに多いが、Transformerの大規模応用例は未だ少ない。ルーチンLCAシネ画像によるLV機能の評価でMayo Clinicの専門医を凌駕した、という印象的な結論で、新時代の到来を確認させる。CCTA等非侵襲画像診断のAI解析との比較・適応すみ分けが直近の課題となる。