「すべてのローカーボダイエットは平等でない」:Harvard Chan大規模研究
Low-Carbohydrate Diet Macronutrient Quality and Weight Change

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
December 2023
6
開始ページ
e2349552

背景

「ローカーボダイエット(低炭水化物食:LCD)の長期的な体重減少効果は。また、脂質やタンパク質の摂取源が動物性食品か植物性食品かによる違いはあるか。
アメリカHarvard T.H. Chan School of Public HealthのSunらは、 Nurses’ Health Study(NHS)、Nurses’ Health Study II(NHSII)、Health Professionals Follow-up Study(HPFS)コホート12万3,332名を対象とする前向コホート研究を行い、LCD指数の変化と体重変化を分析した。検証されたLCD分類は以下の通りである。
(1) 全体的な炭水化物摂取量の低下を重視するLCD(TLCD)
(2) 動物性タンパク質と脂質を重視したLCD(ALCD)
(3) 植物性のタンパク質と脂質を重視したLCD(VLCD)
(4) 精製度の低い炭水化物、より多くの植物性タンパク質、および健康的な脂質を重視する健康的なLCD(HLCD)
(5) 不健康な炭水化物、より多くの動物性タンパク質、不健康な脂質を重視する不健康なLCD(ULCD)

結論

参加者の4年間にわたる体重増加の平均値は、HPFSの0.8kgからNHSIIの1.8kgまで多様であった。
人口動態・ライフスタイル要因の変化の調整後、TLCDスコアの1SD増加は、4年間で0.06kgの体重増加と関連した。植物性のタンパク質と脂質、および健康的な炭水化物で構成される食事が、長期的な体重増加の抑制と有意に関連した。TLCD・ALCD・ULCDはHLCDに比して、平均して体重が増加した(1SD増加 毎4年間で各+0.06、+0.13、+0.39、−0.36 kg)。これらの関連性は、若年(55歳未満)・過体重/肥満・低身体活動量の参加者間で最も顕著であった。

評価

流行のLCDの効果に関するHarvard Chanによる最大規模の検証で、LCDが必ずしも「ダイエット」につながらない、という結果を明らかにした。著者らの結論は、「not all low-carbohydrate diets are created equal」ということで、全粒穀物・果物・野菜のような植物性食品中心のLCDは支持している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)