健康的なライフスタイルは多くのがんでリスク低下と関連する
Adherence to the 2018 World Cancer Research Fund (WCRF)/American Institute for Cancer Research (AICR) Cancer Prevention Recommendations and risk of 14 lifestyle-related cancers in the UK Biobank prospective cohort study
背景
食事や身体活動などのライフスタイル因子は、がんのリスクと関連することが知られている。世界がん研究基金(WCRF)・アメリカがん研究協会(AICR)は、がん予防のための10項目の推奨を行なっており、WCRF/AICR 2007の推奨は、乳がん・大腸がん・肺がんリスク低下と関連することが確かめられている。
イギリスNewcastle UniversityのMalcomsonらは、UK Biobankの参加者(n=94,778)の食事・身体活動・身体測定値データを用い、WCRF/AICR 2018推奨事項のアドヒアランス(7項目、各項目0〜1ポイント)と、すべてのがんリスクおよび14種の個別がんリスクとの関連を調査した。
結論
アドヒアランスは総合で平均3.8ポイントであり、中央値8年のフォローアップ期間中に7,296名のがん発症があった。
アドヒアランスの総ポイントは、がんのリスクと逆相関しており(1ポイント増加ごとのHR 0.93)、個別のがんについても、乳がん(0.90)、大腸がん(0.90)、腎がん(0.82)、食道がん(0.84)、卵巣がん(0.76)、肝臓がん(0.78)、胆嚢がん(0.70)のリスク低下と関連していた。
評価
大規模な前向コホートのデータと標準化されたスコアリングシステムを用いることで、以前の研究よりも詳細なリスク評価を可能にし、健康的なライフスタイルがさまざまながんの発症リスクの低下と関連することを確認した。リスク低下への貢献が大きいのはどの項目かは、今後の研究における重要な問いとなる。