血液透析患者への静注鉄剤は高用量でよい
Intravenous Iron in Patients Undergoing Maintenance Hemodialysis
背景
血液透析患者の鉄欠乏性貧血に対し高用量鉄剤静注が標準となりつつあるが、エビデンスは十分ではない。英King's College HospitalのMacdougallら(PIVOTAL)は、維持的血液透析を受けている成人患者を対象として、高用量 vs 低用量スクロース鉄剤静注の効果を検証する非劣性試験を行った(n=2,141)。一次エンドポイントは、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心不全入院・死亡の複合である。
結論
追跡期間中央値2.1年で、高用量の一次アウトカム非劣性が示された。ESAの使用が少なく、感染率に有意差はなかった。
評価
高用量鉄剤が標準化されつつあるにもかかわらず、「危険である可能性があるので大規模RCTを」という主張があった(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0085253815300259)ために行われた検証である。著者らは、特にESA使用を減らせることを強調している。