脳梗塞発症後の抗血小板薬2剤併用療法のウィンドウ時間は拡張できるか:INSPIRES試験
Dual Antiplatelet Treatment up to 72 Hours after Ischemic Stroke
背景
急性軽症脳梗塞発症後早期(24時間以内)における抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の有益性が示されているが、72時間以内では。
中国Beijing Tiantian HospitalのWangら(INSPIRES)は、軽症脳梗塞または高リスク一過性脳虚血発作(TIA)患者6,100名を対象として、これを検証する2×2要因DBRCTを行った。発症後72時間以内に、患者をDAPT群(クロピドグレル+アスピリン投与)とプラセボ群(プラセボ+アスピリン投与)に割り付けた。
一次有効性アウトカムは脳卒中の新規発症、一次安全性アウトカムは、中等度〜重度の出血である(90日時点評価)。
結論
TIA症例は13.1%であった。DAPTの一次有効性アウトカムに対する効果を認めた(HR 0.79)。他方、一次安全性アウトカムではDAPTが劣った(HR 2.08)。
評価
同試験は高用量スタチンと抗血小板療法の効果をみたもので、これは後アームの報告である。「72時間以内」は許容できるか、というこの試験の主題には、肯定的エビデンスを出したものとみなされるが、安全性問題もまた明確となった。他の治療薬(治療法)の探索を正当化するものともみなされる。