急性低酸素性呼吸不全へのヘルメット型マスクはおそらく有益:メタアナリシス
Noninvasive Oxygenation Strategies in Adult Patients With Acute Hypoxemic Respiratory Failure: A Systematic Review and Network Meta-Analysis
背景
急性低酸素性呼吸不全(AHRF)に対する非侵襲的換気(NIV)には、ヘルメット型マスクや高流量鼻カニューレ(HFNC)など複数の戦略が開発されている。2020年のメタアナリシスはヘルメット型マスクに大きな利益があり得ることを示唆していたが(http://doi.org/10.1001/jama.2020.9524)、その後のHENIVOT試験などではヘルメット型マスクの利益は見出されなかった。
カナダMcMaster UniversityのPitreらは、AHRF患者におけるNIV戦略ごとの有効性を評価する系統的レビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
36件の試験(患者7,046名)が包含された。ヘルメットCPAPは、標準酸素療法と比較して、おそらく死亡率を低下させた(患者1,000人あたり231件の減少, 中程度の確実性)。またHFNCは、侵襲的人工呼吸の必要性をおそらく減少させた(1,000人あたり103.5件, 中程度の確実性)。
すべてのNIV戦略は、標準酸素療法と比して入院期間を短縮する可能性があった(低い確実性)。また、ヘルメットbiLevel換気(4.84日)、およびヘルメットCPAP(1.74日)はICU滞在期間を短縮する可能性があった(ともに低い確実性)。
標準酸素療法は、フェイスマスクよりも快適性が高く、HFNCとは差がなかった(ともに低い確実性)。
評価
この新しいメタ解析アナリシスでも、ヘルメット型インターフェイスによるNIVは、死亡・人工呼吸器使用リスクを低減し、入院期間・ICU滞在期間を短縮すると考えられた。この問題を解決する決定的なRCTが求められる。