ECMOを受けるARDS患者は肥満の方が予後が良い
Mortality in Patients with Obesity and Acute Respiratory Distress Syndrome Receiving Extracorporeal Membrane Oxygenation: The Multicenter ECMObesity Study
背景
肥満患者では急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発症リスクが上昇するが、一方で、肥満のARDS患者は、肥満でないARDS患者よりも死亡リスクが低いことも知られている。ではECMO(体外式膜型人工肺)を導入したARDS患者の予後は、肥満に影響を受けるのか?
アメリカNew York UniversityのRudymらは、ECMOを受けるARDS患者を対象とした国際多施設後向コホート研究(n=790)において、肥満(BMI>30)とICU死亡率との関連を調査した。
結論
320名が肥満であった。
ICU死亡率は肥満患者で24.1%、非肥満患者で35.3%であり、肥満はICU死亡率の低下と関連した(オッズ比 0.63)。また、BMIの増加はICU死亡率の低下と関連した(オッズ比 0.97)。
199名ずつを傾向スコアによりマッチングした解析でも、死亡率の低下が同様に認められた。
評価
いわゆる「肥満のパラドックス」である。これまでARDS患者(https://doi.org/10.1186/s13054-017-1615-3)、ECMO患者(https://doi.org/10.1007/s00134-022-06926-4)でそれぞれ報告されてきたが、NIHに支援されたこの研究で、ECMOを受けたARDS患者においても同様に認められた。ARDS患者へのECMOを考慮する際、肥満は適応除外の理由とはならない。