ECMOを受けるARDS患者は肥満の方が予後が良い
Mortality in Patients with Obesity and Acute Respiratory Distress Syndrome Receiving Extracorporeal Membrane Oxygenation: The Multicenter ECMObesity Study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
年月
September 2023
208
開始ページ
685

背景

肥満患者では急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発症リスクが上昇するが、一方で、肥満のARDS患者は、肥満でないARDS患者よりも死亡リスクが低いことも知られている。ではECMO(体外式膜型人工肺)を導入したARDS患者の予後は、肥満に影響を受けるのか?
アメリカNew York UniversityのRudymらは、ECMOを受けるARDS患者を対象とした国際多施設後向コホート研究(n=790)において、肥満(BMI>30)とICU死亡率との関連を調査した。

結論

320名が肥満であった。
ICU死亡率は肥満患者で24.1%、非肥満患者で35.3%であり、肥満はICU死亡率の低下と関連した(オッズ比 0.63)。また、BMIの増加はICU死亡率の低下と関連した(オッズ比 0.97)。
199名ずつを傾向スコアによりマッチングした解析でも、死亡率の低下が同様に認められた。

評価

いわゆる「肥満のパラドックス」である。これまでARDS患者(https://doi.org/10.1186/s13054-017-1615-3)、ECMO患者(https://doi.org/10.1007/s00134-022-06926-4)でそれぞれ報告されてきたが、NIHに支援されたこの研究で、ECMOを受けたARDS患者においても同様に認められた。ARDS患者へのECMOを考慮する際、肥満は適応除外の理由とはならない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)