肉が喉に詰まったときコーラは役に立たない
Efficacy of cola ingestion for oesophageal food bolus impaction: open label, multicentre, randomised controlled trial
背景
固形食塊によって引き起こされる食道閉塞(ステーキハウス症候群)は、一般的な医学的事象である。完全閉塞の場合は、内視鏡などを用いて速やかに解除することが推奨されているが、内視鏡に先行してさまざまな内科的介入も検証されている。
オランダAmsterdam University Medical CentresのTiebieらは、2019〜2022年に同国5施設の救急外来を受診した、食塊による食道完全閉塞の成人患者(n=51)を、25 mLずつ、最大200 mLまでのコーラを摂取する介入群、または自然開通を待つ対照群へと割り付けるランダム化比較試験を実施した。
結論
閉塞は介入群の61%、対照群の61%で改善した(オッズ比 1.00)。完全な開通は介入群の43%、対照群の35%であったが(オッズ比 1.4)、この差も有意ではなかった。
重篤有害事象は発生しなかったものの、介入群の21%はコーラを飲んだ後に一時的な不快感を経験した。
評価
毎年恒例のBMJクリスマス特集からの一報である。本論文著者らによるものも含め、食物による食道閉塞患者にコーラあるいは炭酸飲料を飲ませた報告はこれまでに複数あるが(https://doi.org/10.1016/j.afjem.2018.09.005)、RCTによる検証は初めてであり、コーラが閉塞の解除に影響しないことを明らかにした。


