完全磁気浮上型LVADを使用する心不全患者にアスピリンは不要:ARIES-HCM3
Aspirin and Hemocompatibility Events With a Left Ventricular Assist Device in Advanced Heart Failure: The ARIES-HM3 Randomized Clinical Trial
背景
完全磁気浮上型LVADを使用している進行性心不全患者へはビタミンK拮抗薬(VKA)とともに低用量アスピリンが投与されているが、本当に必要か?
アメリカHarvard Medical SchoolのMehraら(ARIES-HCM3)は、これを検証するため、LVADを装着した進行性心不全患者を、VKA+プラセボ(プラセボ群)またはVKA+アスピリン(アスピリン投与群)に割り付ける国際RCTを行った(n=628)。一次エンドポイントは、12ヵ月における非外科的血液適合性関連有害事象(脳卒中・ポンプ血栓症・大出血・末梢動脈血栓塞栓症)の不在である。
結論
アスピリンを中止したプラセボ群の一次エンドポイントへの影響は認められず、プラセボ群の死亡率はアスピリン投与群に対し有意に非劣性であった。他方、プラセボ群は非外科的出血イベントの減少と関連していた。
評価
入院日数は半減した、という。常態化していたパラダイムに挑戦し、それを破った有意義な試験である。

