重度症候性大動脈弁狭窄症にValvosoft®による非侵襲的超音波療法(NIUT)
Treatment of severe symptomatic aortic valve stenosis using non-invasive ultrasound therapy: a cohort study
背景
石灰化大動脈弁狭窄症(CAS)は一般に重症で、外科的大動脈弁置換術(SAVR)・経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)のいずれも非適応の場合が多い。
フランスUniversite Paris-CiteのMessasら(First-In-Human:FIH)は、欧州3病院で行われ、40名の同患者を対象とした非侵襲的超音波療法(NIUT:Valvosoftを使用)の実行可能性と安全性を検証するコホート研究の結果を報告している。
一次アウトカムは、30日以内の治療関連死亡と弁機能の改善である。
結論
術後6ヵ月で、一次アウトカムである治療関連死亡は発生していない。また、重症イベント・脳血管のイベントも報告されていない。弁機能の改善は最長6ヵ月まで確認されており、平均大動脈弁口面積(AVA)はベースラインの0.58 cm2から追跡調査時の0.64 cm2に10%増加し、平均圧較差は41.9 mm Hgから38.8 mm Hgに7%減少した。
6ヵ月後のNYHAスコアは96%の患者で改善または安定し、KCCQスコアも改善した。処置関連重篤有害事象として、SpO2の一過性低下が1名で発生した。非重篤有害事象には、治療中の痛み・不快感・一過性不整脈があった。
評価
Cardiawaveの新規デバイスで、印象的なパイロット試験結果を示した。CAS治療のみならず弁狭窄治療全般のパラダイムを変える可能性があり、拡大検証が注目される。

