減量のためのチルゼパチドは、「容易には止められない」: SURMOUNT-4
Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial
背景
チルゼパチドが減量薬として標準化される方向が明確になるにつれ、副作用と使用停止によるリバウンドの問題が浮上している。
アメリカWeill Cornell MedicineのAronneら(SURMOUNT-4)は、成人肥満患者670名を対象として、この問題を検証する第3相RCTを行った。最初の36週間、週1回最大耐用量のチルゼパチドを全患者に投与、その後1:1の割合でチルゼパチド群とプラセボ投与群に52週間割付けた。一次エンドポイントは、36週から88週までの平均体重変化率である。
結論
36週までの全体の平均減量率は20.9%であり、36~88週ではチルゼパチド群がプラセボに対して有意な体重維持をみせた(-5.5% vs. 14.0%, 差-19.4%)。また、導入期での減量を最低80%維持した患者の割合は、プラセボが16.6%だったのに対し、88週までチルゼパチド群は89.5%、0~88週までの全体平均減量はプラセボが9.9%だったのに対してチルゼパチド群で25.3%だった。有害イベントは軽度~中等度の胃腸イベントで、チルゼパチド群での発生が多かった。
評価
36週で使用終了した場合にはリバウンドが顕著で、20%の差が出る、言い換えれば「容易には止められない」という結果である。断薬群では代謝関連血液マーカも悪化しており、長期使用の不可避性を示唆する。