スマホアプリで話し声から心不全によるうっ血を検出する
Remote Speech Analysis in the Evaluation of Hospitalized Patients With Acute Decompensated Heart Failure
背景
急性代償性心不全(ADHF)患者では肺の体液過多により声に変化が生じる、という観察がある。この知見をADHFの検出に利用することはできるか?
イスラエルBar-Ilan UniversityのAmirらは、ADHF成人患者(n=47)に対し、入院日と退院日に、5つの文章を母国語(ヘブライ語・アラビア語・ロシア語)で複数回朗読するように求め、音声処理・分析アプリケーションHearOを用いて録音した。さらに、これらを5つの音声測定値(SMs)について分析し、SMの平均変化量を算出した。
結論
計1,484件の録音が分析された。退院日の録音の94%で、ベースラインとの明確な差異を示した。また、5つのSMsのうち87.5%で明確な差が認められ、SM2ではベースラインからの変化が特に顕著であった(218%)。
評価
スマホ音声アプリは、ADHF患者のウェットな声を正確に認識可能であった。うっ血性心不全では、音声バイオマーカーが予後を予測するという研究もあり(https://doi.org/10.1161/JAHA.119.013359)、早期検出と長期リスク予測の両方で高いポテンシャルを持ったアプローチである。