新型コロナウイルスPCR検査に貢献、プール検体を調製する前処理装置として初の医療機器 「検体前処理装置Amprep」を発売
- 株式会社島津製作所
- 2022年1月6日
島津製作所は、1月6日に検体プール検査法(以後プール法)用の「検体前処理装置Amprep」(一般医療機器「クラスI」、以下「Amprep」)を国内で発売しました。最短15分間で個別の検体(唾液、鼻咽頭拭い液)をプール法のための検体(以下プール検体)に調製します。本装置は最大20個の個別検体をセット可能で、プール検体として最大4プール検体(1プール検体あたり最大5個の個別検体)を同時に調製できます。当社製のクリニック向けPCR検査装置「遺伝子解析装置AutoAmp」(以下「AutoAmp」)と併せてお使いいただければ、個別検体・プール検体の情報を管理しやすくなります。「検体前処理装置Amprep」によるプール検体の調製時間は1プール検体(5個別検体の場合)で15分、4プール検体(5個別検体の場合)で35分です。
プール法とは、複数の個別検体を混合したプール検体を調べることにより、検査に要する時間・費用を削減する方法です。プール検体が検査で陽性だと判明した場合に、プールした個別の検体をそれぞれ検査して陽性検体を特定します。プール法は陽性率が低い時期のスクリーニング検査に適しています。本装置は、検体の分注・攪拌といった、プール検体の調製にて人手を介する作業を自動化することで、検査従事者が検体に直接触れる機会を減らします。
当社は2020年11月、クリニック向けに「遺伝子解析装置AutoAmp」を発売して、2021年12月末までに累計1200台以上を出荷してきました。「AutoAmp」は小型・簡易操作・低価格を特長とする全自動のリアルタイムPCR装置です。体外診断用医薬品「Ampdirect 2019-nCoV検出キット」を試薬として使用することで、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を検出します。「Amprep」は「AutoAmp」の機構を基に開発しており、装置外観・設置面積は同じです。「Amprep」も「AutoAmp」同様に手狭な検査空間に置きやすくなっています。「Amprep」で調製したプール検体はそのままラックごと「AutoAmp」へセットでき、検体情報を専用ソフトウエアで「Amprep」から「AutoAmp」へ引き継ぐことで検査業務の生産性が向上します。パソコン1台で「Amprep」1台および「AutoAmp」4台まで制御できます。
※「Amprep」は前処理装置として「AutoAmp」だけでなく他社製の汎用リアルタイムPCR装置と合わせて使用できます。
製品写真:「検体前処理装置Amprep」
新製品の特長
1. 全自動でプール検体を調製
唾液・鼻咽頭拭い液といった検体をセットするだけで装置が自動でプール検体を調製します。ピペット操作など手作業が介在しないため、人為的ミスを防止し、直接検体に触れる機会を減らします。
2. 1プール検体の調製がわずか15分
5個の個別検体から1プール検体を調製する所要時間は15分、20個の個別検体(最大)から4プール検体を調製する場合は35分です。
3. 省スペースの卓上型
幅305mm×奥行655mm×高さ660mmという小型装置のため、手狭な検査室でも「AutoAmp」と合わせて導入しやすくなっています。
製品写真:「検体前処理装置Amprep」(左端)と「遺伝子解析装置AutoAmp」(右2台)
【販売名】検体前処理装置Amprep
【医療機器分類】一般医療機器(クラスI)、特定保守管理医療機器
【一般的名称】検体前処理装置
【製造販売届出番号】26B1X00003900005
【希望販売価格】150万円(PC別、税別)
【販売目標】販売後1年間で500台
- 企業サイトURL
- https://www.shimadzu.co.jp/
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