オーティコン補聴器、日本語の特性を考慮した 世界初の補聴器フィッティング理論: VAC-Jの開発に関する ホワイトペーパーを発表

〜『日本語の特性を考慮した補聴器のフィッティング理論 VAC-J開発に関する研究報告』〜

オーティコン補聴器
2019年5月8日

110余年の歴史を持つ補聴器メーカー、オーティコン補聴器(本社:神奈川県川崎市、プレジデント:木下 聡、以下オーティコン)は「日本語の特性を考慮した補聴器のフィッティング理論: VAC-J開発に関する研究報告」と題したホワイトペーパーを本日発表致しました。これはVAC-Jの研究・開発、製品搭載、フォローアップ検証に至る一連の研究経過を報告書としてまとめた冊子です。

聞こえは非常に個人差があり、補聴器の装用に際しては、聴力や年齢、装用経験その他の条件を鑑み個々人に合わせたフィッティング(調整)が必要です。その人が聞くことができる最も小さい音の情報をもとに、どの周波数の音をどれくらい補聴器で増幅すると最適な聞こえを提供できるのかを理論と検証をもって考案したフィッティング理論というものが存在します。

現在、世界的に普及している補聴器は主に欧米で開発、製造されている製品が多く、補聴器フィッティング理論についても日本語が含まれない諸言語のLTASS(長時間平均音声スペクトル)*1を元に開発されており、実際、補聴器メーカーが各言語に特化した補聴器フィッティング理論の開発を行うことは現実的には難しい状況とされてきました。

オーティコンではオーティコン補聴器のための独自の補聴器フィッティング理論としてボイスアライメント・コンプレッション(Voice Alignment Compression、以下VAC)を2000年代の初めに開発しました。10余年による実績と、テクノロジーの進化と継続的研究調査の成果によってこの理論はVAC+として進化しましたが、この理論もまた欧米言語をもとに開発されたものでした。

しかし日本語は欧米言語とは異なる音響特性を持つことから、日本語を母語とする難聴者により良い聞こえを提供したいという思いのもと、補聴器メーカーとしては初の試みとなる、日本語の特性を考慮したフィッティング理論を改めて開発、検証するVAC-J(VAC for Japanese language)プロジェクトを2014年初夏より始動しました。

日本国内の大学教授、耳鼻咽喉科医師、コメディカルの方々の協力を得て、基礎研究から臨床研究まで完成に4年もの歳月を費やし生まれたVAC-Jは日本語の特性を考慮し開発された世界初*2の補聴器フィッティング理論です。一連の研究結果により、日本語を聞き取る際にVAC-Jを使用すると、音声理解を損なうことなく、より快適なフィッティングを提供できる可能性があることが示されました。これによりVAC-Jでは補聴器の装用率の向上効果が期待されることも示唆されています。

オーティコン補聴器、プレジデントの木下聡は次のように述べています。
「VAC-Jは2017年12月より弊社の補聴器フィッティングソフトGenie2(ジェニー2)に搭載、実用化されています。日本語仕様としてお届けしている弊社の先進補聴器オープンシリーズは既に大きな反響をいただいておりますが、今回ホワイトペーパーの形で日本国内の権威ある大学や医療機関の協力に基づいたエビデンスを公表できることとなりました。デンマークで生まれた弊社の補聴器が日本語環境においても、聞こえに悩む人々に寄り添い、QOL(生活の質)の向上をサポートする日本語にやさしい補聴器であると改めてお伝えできることを嬉しく思っております」

ホワイトペーパー概要:
日本語の特性を考慮した補聴器フィッティング理論
VAC-J開発に関する研究報告

目次
第1章 補聴器の増幅法
第2章 オーティコン独自のフィッティング理論
第3章 日本語の特性を考慮したフィッティング理論開発の経緯
第4章 研究概要
第5章 研究焼成説明
第6章 VAC-Jに関わる一連の研究まとめ

※ホワイトペーパーのダウンロードは掲載元をご確認ください。

企業サイトURL
http://www.oticon.co.jp/
ニュース・プレスリリース
https://www.oticon.co.jp/aboutus/info/2019/20190508

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