非小細胞肺がん治療薬「タグリッソ®」のコンパニオン診断薬用途を含む検査薬 「コバス®EGFR 変異検出キット v2.0」発売

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
2016年4月8日

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、 がん組織から上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異を検出する検査薬「コバス® EGFR 変異検出キット v2.0」を3月30日に発売しました。また、本品は4月7日に保険適用されました。

「コバス® EGFR変異検出キット v2.0」は、がん組織から抽出したゲノムDNAから、EGFR遺伝子変異を定性的に検出するキットです。本品は、非小細胞肺がん患者のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)適用の判定補助に用いることが可能です。また、アストラゼネカ株式会社が2016年3月28日に医薬品製造販売承認を取得した「タグリッソ®40mg錠および80mg錠」(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、「タグリッソ®」)のコンパニオン診断薬として、EGFR-TKI治療後に薬剤耐性を示したEGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん患者に対して「タグリッソ®」の適応を判定するための補助に使用できます。

【製品概要】
(1)使用目的:
1. 生体由来の組織から抽出したDNA中のEGFR遺伝子変異の検出(EGFR遺伝子変異の判定の補助)
2. 癌組織から抽出したゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異(T790M)の検出(オシメルチニブメシル酸塩の非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助に用いる)
(2)測定方法:リアルタイムPCR法
(3)保険点数:2,500点 (D004-2 悪性腫瘍組織検査)
(4)希望販売価格:24テスト 492,000円
(5)対応機種:核酸増幅・検出装置 「コバス® 4800 システム z 480」

【タグリッソ®について】
タグリッソ®は、アストラゼネカが開発した1日1回投与の新規経口分子標的治療薬です。既存のEGFR-TKIとは異なる新規の作用機序を有しており、EGFR-TKI治療耐性に関連するT790M遺伝子変異陽性EGFRチロシンキナーゼを不可逆的に阻害することから、EGFR-TKI薬剤耐性獲得患者さんの新たな治療選択肢となることが期待されます。また、本剤は、野生型EGFRチロシンキナーゼに対する阻害作用が少なく、従来のEGFR-TKIにみられる下痢や皮膚症状等の副作用発現が軽減する可能性も考えられています。

【国内におけるEGFR T790M変異陽非小細胞肺がん患者について】
日本における肺がん罹患数は133,500人(2015年予測)1とされ、非小細胞肺がん(NSCLC)は全肺がんの80〜85%を占めます。さらに、EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者さんは40%2を占めると推定されます。また、これまでの研究から、EGFR-TKIに耐性が生じた患者さんの約60%3において、EGFR T790M耐性変異という新たな遺伝子変異が生じていることが明らかになっています。

1 国立がん研究センターがん対策情報センター、がん情報サービス「がん登録・統計」(2015年10月30日アクセス時点)
2 Kosaka T, et al. Mutations of the Epidermal Growth Factor Receptor Gene in Lung Cancer: Biological and Clinical Implications. Cancer Res 2004; 64: 8919-23.
3 Yu HA. et al. Analysis of tumor specimens at the time of acquired resistance to EGFR-TKI therapy in 155 patients with EGFR-mutant lung cancers. Clin. Cancer Res. 2013; 19(8), 2240-7.

【お問い合わせ先】
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