高い感度と特異性でヒトT細胞白血病ウイルス検査に貢献 「エクルーシス試薬 Anti-HTLV I/II」発売のお知らせ

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
2016年3月31日

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、血清または血漿中のヒトT細胞白血病ウイルスI抗体(抗HTLV-I抗体)およびヒトT細胞白血病ウイルスII抗体(抗HTLV-II抗体)を検出する「エクルーシス試薬 Anti-HTLV I/II」を4月5日に発売します。

ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)感染の診断には、まずスクリーニング検査として、血中のHTLVに対して産生される抗体(免疫グロブリン)を測定する免疫血清検査を実施します。陽性の場合には、ウェスタンブロット法による確認検査が行われます。

「エクルーシス試薬Anti-HTLV I/II」は、電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を測定原理とする当社の自動分析装置用の専用試薬であり、18分という短時間で測定します。HTLV抗体には、約80%を占める抗IgG抗体と感染初期から高い値を示す抗IgM抗体があります。当製品では遺伝子組み換え技術によって人工的に作製したリコンビナント抗原を用いており、両方の抗体を検出することができるため、抗IgG抗体のみを検出する検査に比べ、感染早期の見落しを最小限にします。また特異度の高さによって陽性と陰性の判定をより明確にすることで、判定保留域がなくなり、再検査の減少が期待されます。

ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)I型およびII型は、世界で約2000万人*1が感染しているレトロウイルスです。2つのHTLV型のうち、HTLV-I型は、成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-I関連脊髄症(HAM)に直接的に関与し、日本では約108万人*2の感染者がいるとされます。HTLV-I感染者の約95%は生涯発症することはないと言われていますが、ウイルスの感染は生涯持続し、排除する治療法はないのが現状です。母乳からの感染が最も多いため、妊娠時の検診として実施されているほか、腎臓移植手術時にもスクリーニング検査が行われています。

ロシュ・ダイアグノスティックスは、「エクルーシス試薬Anti-HTLV I/II」の発売によって、患者さんの安全と検査の効率化に貢献します。

【製品特長】
・わずか30μLの検体量で18分の短時間全自動測定
・p24およびgp21リコンビナント抗原を使用し、高い感度と特異性を実現
・陽性と陰性のクリアカットな結果判定

*1:Gessain A, Mahieux R. Tropical spastic paraparesis and HTLV-1 associated myelopathy: clinical, epidemiological, virological and therapeutic aspects. Rev Neurol 2012;168:257-69.
*2:平成21年度厚生労働科学特別研究事業報告書

【製品概要】
(1)希望販売価格(税抜)
100テスト用 90,000円
(2)保険点数
177点 (D012-32)
(3)対応機種
既に発売済みの当社自動分析装置「コバス e 411」、「コバス 6000」、「コバス 8000」、および「モジュラーアナリティクス」を用いて自動測定が可能

【製品写真】

【お問い合わせ先】
広報グループ
電話:03-5443-7040
FAX:03-5443-7113

企業サイトURL
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ニュース・プレスリリース
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