乾式血球算定装置QBC STARの評価

フェニックスサイエンス株式会社
2015年2月2日

※本邦の特別感染症指定医療機関のひとつである(独)国立国際医療研究センター病院様から、「エボラ出血熱患者検体をはじめとした危険性の高い検体の検査の検査にはQBC STARは有用である」との評価を頂きました。詳細は以下をご覧ください。

新感染症病棟におけるエボラ出血熱患者検体に適応した検査機器選定について
---乾式血球算定装置QBC STARの評価---


◎大城 雄介1)、手塚 俊介1)、白須 里菜1)、長谷川 達郎1)、土井 誠一1)、永井 正樹1)
独立行政法人 国立国際医療研究センター病院1)

【はじめに】本邦における特定感染症指定医療機関には3つの医療機関が指定されており、当院もその1つに指定されている。近年、感染症のグローバル化に伴い、輸入感染症が注目されており、2014年の西アフリカにおけるエボラウイルスのアウトブレイクを契機として、その役割が重要視されている。当院では、新感染症病棟内検査室での検査業務及び機器・試薬管理を中央検査部門が担当しているが、通常の検査機器では感染管理上の課題が多く、適応する検査機器について検討を行っていた。今回、新感染症病棟に導入検討している候補機器として、乾式血球算定装置QBC STAR(QBC Diagnostics社)の基礎的検討を行い、検査精度や運用面について総合評価を行ったので報告する。
【検討内容・結果】1.同時再現性:EDTA-2K加全血健常人検体をn=15で測定した時のCVは0.9〜6.5%であった。2.相関性:EDTA-2K加全血患者検体50検体を用いたXE-5000(Sysmex社)との相関性はWBC y=0.9704x+0.4500、r=0.959、Het y=1.0056x+2.0023、r=0.983、Hb y=1.0843x-0.4323、r=0.988、Plt y=0.8739x+28.2702、r=0.969、顆粒球 y=0.9633x+0.2858、r=0.970、リンパ球+単球 y=0.9438x+0.2500、r=0.915であった。
【まとめ】QBC STARは概ね良好な基礎性能を有していた。電子精度管理機能によりコントロール測定が自動で行われ、電源投入後直ちに測定可能であった。血液約70μLを採取したキャピラリを機器に設置し、ボタンを押すだけで自動測定が可能であり、指頭や耳朶からの微量採血で検査可能であった。以上のことから、QBC STARは安全性、簡便性などの面で従来機と比較して優勢があった。また、新感染症病棟内検査室に設置している機器は、使用頻度が極めて低いことから、精度管理やメンテナンスで苦慮することが多かった。汚染された機器のメンテナンスは製造元でも対応が問題視されており、メンテナンスフリー機器の導入を望んでいたが、QBC STARは検査精度や感染管理などの面からも適応している機器であると思われた。
【結語】エボラ出血熱患者検体をはじめとした危険性の高い検体の検査にはQBC STARは有用である。

連絡先03-3202-7181(内 3381)

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