ベックマン・コールター キャピラリー電気泳動ベースの質量分析装置用フロントエンドシステムを発売

〜革新的なキャピラリーデザインで、世界初のシース液無しのイオン化スプレー機構により感度向上〜

ベックマン・コールター株式会社
2011年9月6日

ベックマン・コールター株式会社(本社東京都 代表取締役社長:ジャック・プライス)は、質量分析装置との接続により高感度なキャピラリー電気泳動−質量分析解析(CE-MS)が可能となる、「質量分析装置接続キャピラリー電気泳動ESIシステム CESI 8000」を、2011年10月に発売します。
弊社は従来から、キャピラリー電気泳動技術の各分析分野への応用と普及に努めて参りました。本製品の発売によりタンパク質・ペプチド・イオン性/高極性化合物の質量分析において、キャピラリー電気泳動技術のさらなる拡販を図ります。



【CESI 8000の特長】

●シース液無しで、従来法の数10〜100倍以上の感度を実現
CESI 8000ではキャピラリー末端を特殊加工することによりシース液無しでの安定したイオン化を可能としたCESIスプレイヤーを採用しました。これにより質量分析装置に送り込まれる液量を大幅に減少させ、MS測定時におけるイオン化抑制を軽減し、従来法の数10〜100倍以上の大幅な感度向上を実現しました。

●専用キャピラリーカートリッジで、質量分析装置との接続もワンタッチ
このキャピラリーはスプレー部分に保護ハウジングを設けたOptiMSカートリッジに組み込まれ、質量分析装置のナノ-スプレーイオン導入部に専用アダプタを介して容易に接続できる構成です。 このOptiMSテクノロジーにより、安定したパフォーマンスと簡単操作が実現しました。

●従来法で見逃していたものが見える
(ペプチド混合試料解析・プロテオーム解析・インタクトタンパク質解析におけるメリット) CESI 8000によるペプチドやタンパク質のCE-MSは、液体クロマトグラフィ法―質量分析解析(LC-MS)の苦手とする部分を高感度・高分離で解析します。これにより、 リン酸化やシアル酸化糖鎖の結合などの翻訳後修飾をより詳細に解析でき、プロテオーム・プロテオミクス解析や、医薬品応用目的等タンパク質開発研究での質量分析における情報量は格段に向上します。

●濃度が薄くて見逃していたものが見える
(低分子、イオン性/高極性化合物MS解析におけるメリット)
メタボローム研究の対象となるイオン性・高極性低分子化合物解析はCE-MSが標準となっています。  この分野においてもCESI 8000によりCE-MS解析の高感度化と、非極性化合物のLC-MS解析とあわせて情報量が拡大します。 さらにCESI 8000の高感度により、より微量な検体からの、またより低濃度域までの分析が可能となります。同様の分析条件は幅広いイオン性低分子に応用でき、医薬品解析・毒物解析・裁判化学などの分野でも応用可能です。

●分析時間の迅速化
キャピラリー電気泳動法の特長である高分離能により、分析時間の迅速化が可能です。


■ベックマン・コールター社について
ベックマン・コールターは1980年代末から一貫してキャピラリー電気泳動法の応用開発に努めてきました。タンパク質・糖鎖・核酸(合成オリゴDNAなど)から、光学異性体(エナンチオマ)・無機有機低分子イオンの解析まで幅広く アプリケーションキットでサポートしています。近年では、アセトニトリルなどの有機溶媒の使用を削減できるGreen Technologyとして、キャピラリー電気泳動法は注目されています。 ベックマン・コールターはこの分析技術を通じて、地球環境にも貢献していきます。

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