医用機器の総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE next」の提供を開始

〜帳票自動作成・リモート機能により、医療現場の働き方改革推進に貢献〜

株式会社堀場製作所
2023年8月1日

当社医療用機器向けの新たな総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE next (ホリバ メディサイド リンケージ ネクスト)」の提供を8月1日より開始します。

2016年にサービス提供を開始した「HORIBA MEDISIDE LINKAGE」は、通信ネットワークを用いて当社製品の稼働情報やメンテナンス時期を常時モニタリングするシステムとして、開業医などを中心とした多くの医療現場で貢献してきました。新たなシステムとしてこのたび展開する「HORIBA MEDISIDE LINKAGE next」には、既存システムの機能に加え2018年医療法改正で作成が義務付けられた各種帳票の自動作成機能、リモート操作で機器の設定変更や洗浄動作を操作できる機能を付与しました。

2024年4月からは改正労働基準法での医師の時間外労働上限規制の施行が予定されるなど、医療業界全体での働き方改革実現が課題となっています。本システムの導入を通じて、現場の業務負荷軽減や安心・安全な医療サービスの提供に貢献していくことをめざします。

本システムは新たなメンテナンスアプリケーションとして、当社の最量販モデルである自動血球計数CRP※1測定装置「Yumizen H330 CRP」から提供をスタート、順次対応装置を追加していく予定です。


「HORIBA MEDISIDE LINKAGE next」システム全体像


自動血球計数CRP測定装置 「Yumizen H330 CRP」

【本システム開発の背景】
人口減少と少子高齢化が進むわが国では、あらゆる産業分野において労働力不足に直面しており、特に専門性が求められる医療業界の人材不足は深刻化しています。2018年の医療法改正では検体検査の精度確保を目的に、標準作業書及び作業日誌又は台帳などの帳票作成が定められました。

さらに2024年4月には改正労働基準法の施行が予定されており、医師の働き方改革が本格化します。時間外労働の削減に向け、医療行為以外のデータ処理や管理業務にかかる効率化を進めていくことは喫緊の課題となっています。こうした背景から、新システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE next」を開発しました。

【本システムの特長】
1.月次データを集計し医療法で定められた帳票を自動作成
これまでエクセルフォーマットへの手入力で対応していた作業を自動化。データ処理や管理にかかる業務負荷の軽減に寄与します。

■医療法改正で提出が義務付けられた帳票(★当社提供帳票)


■帳票ソフト監修者 JA愛知厚生連 豊田厚生病院 医療安全管理部 中根 生弥 (なかね いくや) 先生のコメント

病院、診療所又は助産所において、検体検査の業務を実施する場合は、管理組織、標準作業書、作業日誌、管理台帳、検体検査の精度の確保の方法を、厚生労働省令で定める基準に適合させなければなりません。病院検査室では臨床検査技師による対応が可能ですが、診療所には臨床検査技師がいないケースが多いので、対応に苦慮しているのが現状です。診療所においては、診療効率化の観点から台帳を自動的に作成するようなシステムが求められています。

2.リモート操作による機器設定変更や洗浄動作スタートの管理
・当社コールセンター及び販売代理店でのリモート操作により、機器トラブル時に必要とされる設定変更や洗浄などに対応。機器操作に不慣れなスタッフでも安心・安全な管理を行うことができます。
・サービスエンジニアによる対応が必要な際にも、現場に到着する前に事前確認を済ませることができ、機器停止時のダウンタイム低減に貢献します。

対応機種:自動血球計数CRP測定装置「Yumizen H330 CRP」
売目標:本システムを使った検査装置の稼働台数10,000台(2030年)

【注釈】
※1 CRP(C-Reactive Protein / C反応性たんぱく)
体内に急性の炎症や組織の損傷があるときに、血清中に増えるたんぱく質の一種で代表的な炎症マーカー。組織や細胞の炎症を早く鋭敏に反応し、その度合いを知ることができる。また、病態の改善の際には速やかに減少するので、病態の診断、予後の診断、治療効果の観察に役立つ。

※2 特許出願済み

最新ニュース・プレスリリース