原発性胆汁性胆管炎に elafibranor登場:ELATIVE
Efficacy and Safety of Elafibranor in Primary Biliary Cholangitis
背景
原発性胆汁性胆管炎(PBC)の標準治療はウルソデオキシコール酸だが、有効患者は半数程度である。
アメリカLiver Institute NorthwestのKowdleyら(ELATIVE)は、標準治療不奏効患者に対するelafibranor(経口ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体[PPAR]α/δ二重作動薬)の効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ, n=161)。
一次アウトカムは、52週時点の生化学的奏効(ALPが正常範囲上限の1.67倍未満かつベースラインから15%以上減少、および総ビリルビン値正常)である。
結論
Elafibranorの一次アウトカムに対する効果を認めた(51% vs. 4%)。中等~重度の掻痒を有した患者のWI-NRSスコアの変化に、群間差はなかった。実薬群でより頻繁に発生した有害事象は、腹痛・下痢・嘔気・嘔吐であった。
評価
Ipsen and GENFITの創薬で、難治性PBCに対する二次治療薬となる生化学的エビデンスを示したが、掻痒への無効は問題であり、試験は延長中である。なお、同薬はNASHへの効果が期待されたが、RESOLVE-IT は無効中止されている。