成人てんかん患者へのヨガ介入は有効
Effectiveness of Yoga Intervention in Reducing Felt Stigma in Adults With Epilepsy: A Randomized Controlled Trial
背景
癲癇(てんかん)患者の多くはセルフスティグマや不安障害・うつを併発することが多く、QOLの低下報告が多い。
インドAll India Institute of Medical SciencesのKaurらは、Kilifi Stigma Scaleによるスティグマ評価がカットオフ値以上だった18〜60歳のてんかん患者160名を、3ヵ月のヨガ+心理介入群とシャムヨガ介入群に割り付け、スティグマ・発作頻度・不安感・うつ・QOL改善等に有効かを検証するRCTを行った。
一次アウトカムは、Kilifi Stigma Scale評価によるセルフスティグマの低下である。
結論
6ヵ月フォローアップ終了時点で、ヨガ介入群の有効性を認めた。
介入群では有意なセルフスティグマの低下が報告され、また発作の頻度低減(OR 4.11)・寛解(OR 7.4)および不安症状・認知機能・マインドフルネス ・QOLの改善も観察された。
評価
2017年Cochrane Database Syst Revは、てんかんに対するヨガの有効性を結論づけるエビデンスは弱いとしていた(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28982217/)。他方、運動介入がてんかん患者のQOL・神経認知アウトカム・身体フィットネス改善に有効であるとの先行レビューはある(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36399947/)。本研究で報告されたヨガ介入による発作頻度や寛解への有効性は、これまで最大とみられる。


