大規模RCTで介護施設における除菌の効果を確定的に
Decolonization in Nursing Homes to Prevent Infection and Hospitalization
背景
介護施設入居者への感染予防介入の効果は。
アメリカHarbor-UCLA Medical CenterのMillerらは、28介護施設の入居者28,956名を対象として、全員に対する除菌とルーチンケア(入浴)とを比較するクラスターRCTを行った。
除菌群では、ルーチンの入浴とシャワー浴すべてにクロルヘキシジンを使用し、ポビドンヨードの鼻腔内塗布を入居後、最初の5日間は1日2回行い、その後は1日2回、5日間の塗布を隔週で行った。
一次アウトカムは、感染による入院である。
結論
除菌介入の一次アウトカムに対する効果を認めた(リスク比差 16.6%)。感染による入院1件予防するための治療必要数(NTT)は9.7、全原因入院予防のNTTは8.9であった。
評価
介護施設におけるMDRO発生の問題に対し、提唱されている根本的対応策に関する決定的となる大規模RCTで、除菌介入の有効性を確立した。残る問題点は、除菌が生涯必要である、という点とリソースの希少性である。