メソトレキサートは変形性手関節症の疼痛軽減に有効:METHODS試験
Methotrexate to treat hand osteoarthritis with synovitis (METHODS): an Australian, multisite, parallel-group, double-blind, randomised, placebo-controlled trial
背景
炎症性表現型を有する変形性手関節症(HOA)へのメトトレキサートの有効性・安全性は。
オーストラリア Monash UniversityのCicuttiniら(METHODS)は、グレード1以上の滑膜炎を伴うKellgren-Laurence分類におけるグレード2以上のHOA患者97名を対象として、これを検証するRCTを行った。
患者を1:1で週1回6ヵ月間メトトレキサート経口投与する群とプラセボ群に割り付けた。一次アウトカムは、6ヵ月でのVisual Analogue Scale(VAS)評価における疼痛軽減である。
結論
メソトレキサートの一次アウトカムに対する効果を認めた。
6ヵ月でのVAS疼痛スコア平均変化は、メトトレキサート群がプラセボに対し有意な改善を認めた(-15.2 mm vs. -7.7 mm, 平均群間差 -9.9, 標準化平均差 0.45)。有害事象は両群とも同様だった(62% vs. 60%)。
評価
抗リウマチ薬として使用されるメトトレキサートで、HOAへの効果は不思議ではないが、この試験ではプラセボも同様に効果を現わしているのが興味深い(最初の1ヵ月は両群で同様の疼痛軽減がみられた)。6週間のステロイド投与が炎症疼痛軽減に有効であったとの先行研究もある。