ATTRvアミロイドーシスにアンチセンス薬eplontersen登場:NEURO-TTRansform
Eplontersen for Hereditary Transthyretin Amyloidosis With Polyneuropathy
背景
ATTRvアミロイドーシスに対し遺伝子治療戦略が追求されている。
ポルトガルCentro Hospitalar Universitario de Santo AntonioのCoelhoら( NEURO-TTRansform)は、ポリニューロパチーを伴うATTRvアミロイドーシス患者に対するeplontersen(アンチセンスオリゴヌクレオチドによるトランスサイレチン遺伝子サイレンサー)の有用性を評価する多国籍オープンラベル単一グループ第3相試験(eplontersen投与群n=144と既存対照群n=60)を施行した。一次アウトカムは、65週における血清トランスサイレチン濃度および66週におけるmNIS+7複合神経障害スコアとNorfolk QoL-DN総合スコアである。
結論
Eplontersenの一次アウトカムに対する効果を認めた。65週での血清トランスサイレチン濃度の調整平均減少率は、既存対照群と比較してeplontersen投与群で有意に減少が大きかった(-81.7% vs. -11.2%)。66週でのmNIS+7複合神経障害スコアとNorfolk QoL-DN総合スコアの調整平均変化は、既存対照群と比較してeplontersen投与群で有意に増加(悪化)が抑制された(0.3 vs. 25.1と-5.5 vs. 14.2)。66週までに既存対照群で2名、eplontersen投与群で6名が、有害事象により投薬中止となり、また、eplontersen投与群では既知の疾患関連後遺症(不整脈、脳内出血)により2名が死亡した。
評価
Ionis・AstraZenecaによる待望のアンチセンス薬で、承認は確実である。同疾患には早期からCRISPRによる治療が追求されており、現在第1相試験が進行している(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04601051)。