小腸血管異形成による反復出血にサリドマイド
Thalidomide for Recurrent Bleeding Due to Small-Intestinal Angiodysplasia
背景
サリドマイドが小腸血管異形成(SIA)による反復性出血に有効であるという示唆がある。
中国Shanghai Jiao-Tong UniversityのGeらは、同患者150名を対象として、その有効性と安全性を検証するRCTを行った。SIA出血エピソードが過去1年間に4件以上発生した患者に対し、サリドマイドまたはプラセボを4ヵ月間投与した。一次エンドポイントは、サリドマイド投与終了後1年間に発生した出血エピソードの回数の、投与前1年間に発生した回数に対する50%以上の減少である。
結論
サリドマイドの一次エンドポイントに対する効果を認めた(サリドマイド100 mg群 68.6%, サリドマイド50 mg群 51.0%, プラセボ群 16.0%)。出血を伴わない出血停止、輸血、出血による入院等の二次エンドポイントでも有効性が支持された。有害事象は、サリドマイド群が多かった(便秘・傾眠・四肢しびれ・末梢性浮腫・めまい・肝酵素上昇等)。
評価
現在ソマトスタチンアナログが標準となっている病態で、小規模試験で示唆されていたサリドマイドの有用性を大規模確認した。安全性への懸念が払拭されているわけでなく、ソマトスタチンアナログに対する二次オプションとして使用されてゆくことになろう。