入院COVID-19患者へのビタミンC点滴はおそらく有害:LOVIT-COVID・REMAP-CAP
Intravenous Vitamin C for Patients Hospitalized With COVID-19: Two Harmonized Randomized Clinical Trials
背景
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以前から、重症患者に対するビタミンC療法の有効性を検証する動きが活発化しており、流行以降にはCOVID-19での検証も進められている。
カナダSunnybrook Health Sciences CentreのAdhikariら(LOVIT-COVID・REMAP-CAP)は、COVID-19入院患者に対し、96時間のビタミンCまたはプラセボの静注を割り付けるカナダRCT(LOVIT-COVID)、および重症市中肺炎患者を対象とした国際共同適応的プラットフォーム試験(REMAP-CAP)において、COVID-19患者を対象に実施されたビタミンC介入の結果を統合し、解析した。
結論
両試験で2,613名がランダム化された後、中間解析により無益性と害の基準が満たされたため、試験は中止された。1,568名が重症患者、1,022名が非重症患者であった。
重症患者における21日目までの臓器サポート不要日数は、ビタミンC群で中央値7日、対照群では10日であり(調整オッズ比 0.88)、ビタミンCが有効または有害である事後確率はそれぞれ8.6%、91.4%、試験が無益である事後確率は99.9%であった。非重症患者の臓器サポート不要日数は、ビタミンC群、対照群とも中央値22日であり、有効、有害、無益の事後確率はそれぞれ2.9%、97.1%、99.9%超であった。
生存退院率についても、重症患者・非重症患者ともビタミンCによる改善は認められず、有効の事後確率は、いずれも30%に満たなかった。
評価
独立して計画された2つのRCTで実施された、事前指定による統合解析である。ICU患者を対象としたLOVIT試験と同様(https://www.doi.org/10.1056/NEJMoa2200644)、COVID-19に対してもビタミンC投与の効果は認められず、むしろ有害性が示唆された。
LOVITシリーズでは、急性呼吸窮迫症候群を対象としたLOVIT ARDS試験も行われている(EudraCT 2020-003923-40)。