献腎移植でのBEST-Fluidsは
Balanced crystalloid solution versus saline in deceased donor kidney transplantation (BEST-Fluids): a pragmatic, double-blind, randomised, controlled trial
背景
献腎移植での輸液は、生理食塩水か晶質液(Plasma-Lyte 148)か。
オーストラリアRoyal Adelaide HospitalのCollinsら(BEST-Fluids)は、献腎移植を受けた807名の患者を対象として、昌質液または生理食塩水を輸液として用いた場合の効果・安全性を検証する多施設プラグマティックRCTを実施した。一次アウトカムは、移植腎機能発現遅延(DGF)の発症率である。
結論
昌質液の一次アウトカムに対する優位を認めた。DGFは昌質液投与患者の30%、生理食塩水投与患者の40%で発生した(調整リスク比 0.74)。重篤な有害事象の発生率に群間差はなかった。
評価
2件のメタアナリシスがすでに発表されている懸案で、Cochrane Reviewは「差はなし」としていた。決定試験となることを意図した周到な多施設大規模試験で昌質液の優位を結論づけ、ガイドラインにインパクトを与えるエビデンスを提出した。