NASHへの新規FGF21アナログpegozafermin、第2相試験を通過
Randomized, Controlled Trial of the FGF21 Analogue Pegozafermin in NASH
背景
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)には有効薬がない。
アメリカUniversity of CaliforniaのLoombaら(ENLIVEN)は、222名の同患者を対象として、新規長時間作用型グリコペグ化線維芽細胞増殖因子21(FGF21)アナログpegozaferminの効果・安全性を検証する24週の第2b相多施設RCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、24週時点での、NASHの増悪を伴わない肝線維化の改善、および肝線維化増悪を伴わないNASHの消失である。
結論
Pegozaferminの一次エンドポイントに対する効果を認めた。肝線維化改善基準を満たした患者率は、プラセボ統合群で7%、実薬15 mg群で22%であった。NASH消失基準を満たした患者率は、プラセボ群2%、実薬15 mg群で37%であった。実薬関連有害事象として高頻度だったのは、悪心・下痢であった。
評価
FGF21アナログは抗炎症・代謝効果が注目され、複数がNASHで臨床試験に入っている。Pegozaferminは89bioの開発薬で、初めて第2相をクリアした。最終相では組織学的エンドポイントへの効果確認が必要となろう。