前臨床期アルツハイマー病にsolanezumabは無効:A4Study
Trial of Solanezumab in Preclinical Alzheimer’s Disease
背景
LecanemabのFDA承認は、アルツハイマー病治療のための抗アミロイド抗体薬開発を加速した。
アメリカUSC Alzheimer’s Therapeutic Research InstituteのAisenら(A4Study)は、アミロイドモノマー標的化薬solanezumabの効果・安全性を検証する第3相RCTの結果を発表している(対照:プラセボ, 240週)。対象は前臨床期アルツハイマー病患者1,169名、一次エンドポイントは、240週後における前臨床期アルツハイマー病認知機能複合評価指標(PACC)スコアの変化である。
結論
Solanezumabの一次エンドポイントに対する効果を認めなかった。240週時点のPACCスコアの平均変化量は、solanezumab群が-1.43、プラセボ群が-1.13であった。アミロイド量は実薬群で11.6センチロイド、プラセボ群で19.3センチロイド増加した。浮腫を伴うアミロイド関連画像異常(ARIA)発生率は両群 とも1%未満で差はなかった。
評価
Lillyの創薬で、同社のdonanemab・remternetugと異なり、可溶性モノマーを標的化する抗体薬で、モノマーターゲットでは臨床効果を得ることができない、という否定的結論を確定する結果となった。他方、donanemabは年内にFDA承認される、という観測もある。