COVID-19患者への 外来ステロイド吸入療法は無益:ACTIV
Inhaled Fluticasone Furoate for Outpatient Treatment of Covid-19

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
September 2023
389
開始ページ
1085

背景

COVID-19には外来使用できる吸入薬の存在が望ましく、さまざまな試みが行われてきた。
アメリカDuke UniversityのNaggieら(ACTIV)は、登録前7日以内に2つ以上の急性感染症状を発症した1,407名の同軽〜中等症の外来成人患者を対象として、フルチカゾンフランカルボン酸エステル吸入14日間投与の効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、持続的回復までの期間である。

結論

実薬吸入の一次アウトカムに対する効果を認めなかった。実薬群では、緊急受診・入院が多かった(HR 1.9)。両群に死亡者はなかった。有害事象の頻度は両群とも低かった。

評価

COVID-19患者への早期治療候補のうち、外来ステロイド吸入療法は最も期待されていたが、残念ながら有効性を見出すことはできなかった。最有力のremdesivirは動物試験で効果が示されたが(https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abl8282)、臨床試験の成功は伝えられていない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell