インヒビターを有する血友病患者にconcizumab:explorer7
Phase 3 Trial of Concizumab in Hemophilia with Inhibitors
背景
Concizumabは、新規抗組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor: TFPI)モノクローナル抗体薬で、血友病患者への有用性が期待されている。
日本Nagoya University(名古屋大学)のMatsushitaら(explorer7)は、インヒビターを有する血友病A・Bの患者134名を対象として、同薬の安全性・有効性を検証する第3相RCTを行った(対照:出血予防治療不施行)。一次エンドポイントは、要治療出血(自然・外傷性)エピソードである。
結論
年間出血回数の推定平均値は11.8回、1.7回とconcizumabの一次エンドポイントに対する予防効果を認めた(率比 0.14)。治療患者の年間出血回数の中央値は0であった。有害事象に群間差はなかった。
評価
Novo Nordiskのファーストインクラス薬で、明らかな有効性を示した。現在の先進治療では、エミシズマブはインヒビター存在下での有効性が認められつつある一方、最先端の遺伝子治療でもインヒビター発現は示唆されており、特異的皮下注射薬のインヒビター保有患者への有益性は明らかである。