高齢者の1日10時間以上の座位は認知症発症リスク
Sedentary Behavior and Incident Dementia Among Older Adults

カテゴリー
整形外科・理学療法、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
September 2023
330
開始ページ
934

背景

高齢者の座位時間は心血管代謝疾患リスクを増すが、認知症発症との関連は。
アメリカ University of Southern CaliforniaのRaichlenらは、UK Biobank登録の認知症診断のない60歳以上の高齢者49,841名を対象として、手首装着型加速度計のデータ解析から、1日の座位行動と全原因認知症発症の関連を検討する後向コホート研究を行った。

結論

諸因子調整後、認知症発症と座位時間の間に有意な非線型相関を認めた。1日座位時間中央値9.27時間と比較した認知症発症のHRは10時間で1.08、12時間で1.63、15時間で3.21。1,000人年あたりの調整後発症率は9.27時間で7.49、10時間で8.06、12時間で12.00、15時間で22.74であり、1回平均座位時間(HR 1.53)と最大1回座位時間(HR 1.15)も有意に認知症発症高リスクと関連した。座位回数は認知症リスクと関連しなかった(HR 1.00)。

評価

座位時間と心血管代謝疾患の関連には日本からの結果もある(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7585914/)一方、認知症に関して結果が一致していなかった。この研究は長期・前向ではないが、加速度計を使った大規模定量研究で、エビデンスレベルは高い。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy