1型ナルコレプシー に経口オレキシン 2 型受容体アゴニスト?
Oral Orexin Receptor 2 Agonist in Narcolepsy Type 1
背景
1型ナルコレプシーに対するオレキシンアゴニストの有効性検証が行われてきた。
アメリカTakeda Development Centerのvon Hehnらは、73名の同患者を対象として、新規経口オレキシン2型受容体選択的作動薬TAK-994の効果・安全性を検証する第2相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、覚醒維持検査(MWT)における入眠に要する時間のベースライン後8週での平均変化である。
結論
肝毒性のため、試験は早期終結した。41名のデータで、一次エンドポイントに対する有効性が認められた(プラセボとの差:30 mg投与群 26.4分, 180 mg投与群 35.0分)。脱力発作率も低減した。実薬群での有害事象発生率は79%で、肝障害以外では尿意切迫・頻尿が高頻度であった。
評価
Takedaの革新的な薬で、小規模集団では有効性が明らかであった。同薬自体の臨床化は断念されたが、肝障害能軽減への修飾が行われており、数年内に類薬が第3相に到達する可能性がある。