股関節半関節形成術での高用量二重抗菌薬含有骨セメントは無益:WHiTE 8
High-dose dual-antibiotic loaded cement for hip hemiarthroplasty in the UK (WHiTE 8): a randomised controlled trial

カテゴリー
整形外科・理学療法、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
July 2023
402
開始ページ
196

背景

半関節形成術を行う股関節骨折患者に対し、高用量二重抗菌薬含有骨セメント使用が提唱されている。
イギリスUniversity of OxfordのCostaら(WHiTE 8)は、60歳以上の股関節骨折患者4,936名を対象として、高用量二重抗菌薬含有骨セメントの効果・安全性を標準ケア(単一抗菌薬含有骨セメント)と比較する多施設優越性RCTを行った。一次アウトカムは、無作為化後90日での手術深部位感染発生である。

結論

高用量二重抗菌薬含有骨セメントの標準ケアに対する一次アウトカムの優越性は認められなかった。4ヵ月での健康関連QOLや死亡発生に群間差はなかった。

評価

同手法はイギリスで標準法を凌駕する勢いというが、このテーマに関する過去最大規模RCTで、その有益性を否定した。著者らは、この手法が耐性菌問題を悪化させる可能性がある、ともしている。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy