治療抵抗性うつ病に対するケタミンは電気けいれん療法に非劣性:ELEKT-D
Ketamine versus ECT for Nonpsychotic Treatment-Resistant Major Depression
背景
治療抵抗性うつ病患者に麻酔域下用量のケタミン静注療法(KT)が行われるようになっている。
アメリカMass General BrighamのAnandら(ELEKT-D)は、精神病症状を伴わない同患者403名を対象として、電気けいれん療法(ECT)とKTの効果・安全性を比較する多施設非盲検無作為化非劣性試験を行った。3週間の治療期に週3回のECTまたは週2回のKTを行った。一次アウトカムは、QIDS-SR-16スコアのベースラインからの50%以上低下である。
結論
奏効はKTで55.4%、ECTで41.2%であり、KTのECTに対する非劣性を認めた。患者報告QOLの改善は2群で同等であった。ECTは筋骨格系有害作用と、ケタミンは解離と関連した。
評価
すでに広がっている治療抵抗性大うつ病へのケタミン使用を有効性の面で担保する結果である。他方、同薬の長期使用が薬物依存・解離・偏執他を発現させることは周知で、この試験は長期使用を正当化したものではない。


