ポストワクチン期でもCOVID-19入院の死亡リスクは季節性インフルエンザの1.6倍
Risk of Death in Patients Hospitalized for COVID-19 vs Seasonal Influenza in Fall-Winter 2022-2023
背景
COVID-19は、パンデミック当初から「季節性インフルエンザと致死率がどれくらい違うのか」と問われてきた。
アメリカVA Saint Louis Health Care SystemのAl-Alyらは、合衆国退役軍人省(VA)の電子カルテデータ(2022年10月1日〜2023年1月31日)に基づき、SARS-CoV-2とインフルエンザの入院患者の死亡率を比較した。
結論
COVID-19による入院は8,996件で30日以内死亡は538件(5.98%)、インフルエンザによる入院は2,403件で30日以内死亡は76件(3.16%)、インフルエンザによる入院に対するCOVID-19による入院の死亡ハザード比は1.61であった。死亡リスクは、COVID-19ワクチンの接種回数に従い低減した。他のサブグループ解析では、有意差はなかった。
評価
オミクロン・mRNAワクチン登場前のアメリカでは、COVID-19による入院の30日死亡リスクはインフルエンザによる入院の約5倍とみられていた。オミクロン・mRNAワクチン登場以後は、「COVID-19はインフル並みになった」という言説がみられるが、それでもなお、インフルの1.6倍「怖い」。