謎の疾患、特発性CD4リンパ球減少症同定後30年の統合報告
Reappraisal of Idiopathic CD4 Lymphocytopenia at 30 Years
背景
特発性CD4リンパ球減少症(ICL)は、同定30年後の現在でも「謎の疾患」に留まっている。NIHのLiscoらは、11年間に登録された患者91名の統合報告を行っている。
結論
追跡期間は374人/年、CD4 陽性T細胞数中央値は80/mm3であった。高頻度の日和見感染は、HPV関連疾患・クリプトコッカス症・伝染性軟属腫・非結核性抗酸菌症であった。CD4数低値は、日和見感染・浸潤癌の高リスクがおよび自己免疫疾患低リスクと関連した。死亡リスクは一般集団と同等だったが、癌の有病率は高かった。
評価
謎の疾患に関する最初で最大の追跡解析だが、遺伝子解析は未だ10%でしか行われておらず、顕著な所見がないためか、データは報告されていない。「最初の一歩」というべき結果である。なお、COVID-19mRNAワクチンに対しては38%の患者が抗体形成せず、また感染患者はすべて重症化した、という。