乳児RSV予防への妊婦RSVpreFワクチン有効性を示す:MATISSE
Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants
背景
NEJMは、PfizerのRSVワクチンに関する2論文を併載している。
同社のMunjal ら(MATISSE)の第3相RCTは、妊娠24〜36週の女性に対する2価RSV融合前F蛋白ベース(RSVpreF)ワクチン の有効性・安全性を検証したものである(対照:プラセボ, n=7,358)。一次有効性エンドポイントは、乳児における受診に至った重症RSV関連下気道疾患、および受診に至ったRSV関連下気道疾患である。
結論
同ワクチンの一次エンドポイント有効性を認めた。受診に至った重症RSV関連下気道疾患で、生後90日まででワクチン有効率81.8%、生後180日まででワクチン有効率69.4%であった。他方、受診に至ったRSV関連下気道疾患では、生後90日までで有効率57.1で、統計学的達成基準を満たさなかった。安全性懸念は認められなかった。
評価
併載RENOIR試験は高齢者を対象としたもので、同様の有益性を報告している(https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa2213836)。現在RSVワクチンはmRNAまで含め競争が激しく、相互間の優劣は未だ不明である。