中等〜重症アトピー性皮膚炎にlebrikizumabをADvocate
Two Phase 3 Trials of Lebrikizumab for Moderate-to-Severe Atopic Dermatitis
背景
Lebrikizumabは、IL-13高親和性モノクローナル抗体薬である。
アメリカGeorge Washington UniversityのSilverbergらは、424名(ADvocate1) および427名(ADvocate2)の中等〜重症アトピー性皮膚炎患者を対象として、同薬の効果・安全性を検証する同一デザイン2RCTを行った(対照:プラセボ, 52週)。今回報告は16週導入期間結果で、一次アウトカムは、16週時点での医師によるIGAスコア判定0/1かつベースラインから2ポイント以上低下である。
結論
ADvocate1 ・2両試験でlebrikizumabの効果を認めた(1で43.1% vs.12.7%、2で 33.2% vs. 10.8%)。瘙痒指標および瘙痒による睡眠障害指標共に有効であったが、実薬群では結膜炎発生率が高かった。導入期間中の有害事象の大部分は軽度〜中等度で、試験参加中止例はない。
評価
同薬は先に喘息に試みられているが、問題含みとなっている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9281483/)。アトピー性皮膚炎ではデュピルマブが先行しており、IL-13 阻害薬でもすでにトラロキヌマブがあるが、著者らは同薬の方がトラロキヌマブより結合親和性が高い、としている。今回の報告は導入期結果だが、有効性明白として承認交渉に入っているとみられる。